人気ブログランキング | 話題のタグを見る

絵本いっぱい読んで 幼児へ「セカンドブック」

自治体で広がる、教育効果に期待
乳幼児に継続して絵本をプレゼントする自治体が増えている。赤ちゃんの誕生後に贈る「ブックスタート」に加え、3歳児健診や小学校入学時などに、年齢にあった絵本を新たに渡す「セカンドブック」事業が広がり始めた。関係者は「子供に読書習慣をつけるきっかけにしてほしい」と期待している。

「もらった絵本が気に入ったみたいで、家で何度も読むようになった」。東京都北区の主婦、永吉知子さん(39)は昨年、長男の晴くん(4)に3歳の誕生日にあわせて、区立図書館からロングセラー絵本の「三びきのやぎのがらがらどん」をプレゼントされた。

もともと乗り物の絵本が好きだった晴くんはいっそう本が好きになり、今では親子で毎月2回は図書館を訪れる。永吉さんは「絵本を通じて親子のスキンシップがはかれる。子供に読書習慣がついてうれしい」と話す。

同区は2003年、乳児の3~4ヵ月健診に合わせて親子に絵本を贈るブックスタートを開始。07年には3歳児健診の案内に引換券を同封し、「親子で来館するきっかけにもなっている」(同館の担当者)という。

こうした取り組みはブックスタートに次ぐセカンドブックと呼ばれ、各地で広がっている。NPOブックスタート(東京)によると、今年2月末時点でブックスタートに取り組む全国833市区町村のうち、少なくとも58市区町村がセカンドブックを実施している。

国立青少年教育振興機構(東京)が昨年、成人約5千人に聞いた調査で、就学前から小学校低学年までの読書活動が活発だった人ほど「文化的作法や教養」の意識や能力が高いという結果が出た。読書による教育効果も期待し、新たに取り入れる自治体が増えている。

今年5月に北区と同様の取り組みを始めた東京都葛飾区の区立図書館の担当者は「読書をしない保護者も多い。行政の支援で家庭内の読書環境を後押ししたい」と狙いを話す。東京都狛江市は小学1年生を対象に導入。指定する12冊から児童の希望を聞き、1学期末に配る予定だ。
絵本いっぱい読んで 幼児へ「セカンドブック」_d0250498_15425911.jpg長野県駒ヶ根市は07年度に3歳児を対象としたセカンドブック導入に続き、12年度には小学校1年生向けの「サードブック」事業を始めた。市立図書館の司書らが小中学生の発達段階にあわせた176冊を選び、その題名などを冊子にまとめて配布している。同館の担当者は「乳幼児期に読書の習慣を作り、小学生からは自発的に多くの本を手にとってほしい」と期待している。

2013.06.01 日本経済新聞掲載
by sonicont1 | 2013-06-24 15:43 | 経済